とうめいとりょう<ナイパー>

 以下は全くの余談になります。先日、大昔に小学校の図書室で読んだ

宇平くんの大発明 (岩崎幼年文庫 19)

宇平くんの大発明 (岩崎幼年文庫 19)

という本を(題名をすっかり忘れていたので)苦労して近くの公共図書館で見つけました(初出は1968年)。小学生天才発明家の話なのですが、(立体ふくしゃ器<マルコピイ>の話を読み返したかったのです)、その中に出てくるのがタイトルの発明品です。
 宇平君の新発明の透明塗料、かけると物が透き通って見えなくなるわけですが、政府に没収されてしまいます。 

 「大臣!国民が、ミサイルやせんすいかんにばかり、おかねをつかうのはけしからんといって、さわいでいます」
 「よろしい」
 とうめいとりょうを、しゅーとかけると、ジェット機もミサイルも、せんすいかんも、まるで見えなくなりました。
 「はっはっは。うまいぞ、うまいぞ」
 「大臣!びんぼうな人がすんでいるぼろぼろの家がおおくて、みっともなくてこまっています。たちのきにはんたいしているんです。らい月は、外国から、えらい人が日本を見にくるのに....」
 「よろしい」
 とうめいとりょうを、しゅーっ!ぼろぼろの家は、たちまち見えなくなりました。
 ごみの山があれば、しゅーっ!きれいなあきちに見えます。
 「うん、これはいい」
 大臣は、すっかりきげんがよくなりました。