債権債務の語

石井研堂『明治事物起源2』(ちくま学芸文庫、1997)を読んでいて、ちょっと気になったのでメモしておきます。(41頁)
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<債権債務の語>
 債権債務は、わが民法に始まりし新語なり。今日にては、あへて怪しむ者もなきが、債は、公債私債などいふごとく、負財すなはち借といふ字なり。されば、債務の語は、適当なれども債権とは、当たらぬやうに思ふ。しかし、漢書に、「債主日に至りて詭求已まず」と、貸し主に使ひし古例もあり。
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