鞆の浦・認可申請

遅くなりましたが、以前のエントリで数回触れた鞆の浦世界遺産訴訟仮の差止めに関する決定について続報鞆の浦架橋計画について、免許権者の広島県国土交通大臣認可申請したとのことです。
中国新聞ニュース2008.6.23 

福山市鞆町鞆港の埋め立て・架橋計画で、広島県が埋め立ての免許を適当と判断し、最終的な内部調整を経て二十三日午後にも、免許に必要となる国への認可申請に踏み切ることが分かった。
 中国地方整備局との事前調整はほぼ終了しており、早ければ申請から一カ月程度で認可される見通し(強調引用者)。利便性の向上と、景観保護とのバランスをめぐり賛否が分かれる総事業費約五十五億円のプロジェクトは、原案策定から二十五年で具体化への節目を迎える。
 県は、福山市とともに同計画の事業主体である一方、埋め立て免許の可否を判断する立場にもある。
 関係者によると、昨年五月二十三日の事業主体からの免許申請後の審査は、工事に伴う損益比較が焦点となった。県は、景観が損なわれるマイナス面より、住民生活やまちづくりへのメリットが上回ると判断。公有水面埋立法の施行令に規定された国の認可を、三月末までに申請する方向で準備していた。
 しかし、道路特定財源をめぐる国政の混乱で、事業費の五割強を見込む地方道路整備臨時交付金の受給にめどが立たず、この時期になったとみられる。
 同計画は一九八三年に県が原案を策定。水面約二万平方メートルを埋め立てたうえで、港を横断する長さ約百八十メートルの橋を架け、県道などを整備する。県は本年度、計画区域に生息する希少種のスナガニを移転、保護するための人工海浜や工事用護岸の整備費など約一億五千二百万円を予算化している。同計画をめぐっては、反対派住民が昨年四月、免許差し止めを求める訴訟を広島地裁に起こし、審理が続いている。

朝日新聞2008年6月24日

 福山市鞆町で県と市が進める鞆港埋め立て・架橋計画は、藤田雄山知事が埋め立て免許交付を国へ認可申請したことで、計画の可否を判断する最終段階を迎えた。申請を終えた県の担当者は計画の必要性を強く訴え、市や計画に賛成する住民から「一日も早い認可を」と歓迎する声が上がった。一方、免許交付の事前差し止めを求める行政訴訟を起こしている住民らは「係争中に手続きを進めるのは問題」と激しく反発した。(略)
 県庁で23日夕、記者会見した丸山隆英・県空港港湾部長は「経済合理性を追求したものではなく、衰退していく鞆の町を守り、保存していくための事業」と強調。出願から1年以上を過ぎて認可申請となったことに「すべての排水権者から同意が得られていないという前例のないケースのため慎重に慎重を重ねた」と説明した。差し止め訴訟については「審査に裁判は影響していないが、どんな理由で反対しているのかを分析するのに時間がかかった」とした。
 国が認可するかどうかの判断を下すための標準的な期間は2カ月程度とされるが、さらに時間がかかる可能性もあるという(同上)。(以下略)

 報道によって、見通しに関するニュアンスがやや異なるようですが、国土交通省の対応が注目されます。